曲芸師
先日、とある温泉旅館で、ラッキー舞と名乗る曲芸師の太神楽の演目を観賞しました。太神楽は、江戸時代に伊勢神宮、熱田神宮、西宮神社の神官が、神様の代わりとして全国を廻り、獅子舞で厄払いを行なったのが始まりで、この時共に演じられたのが太神楽曲芸と言われております。
太神楽曲芸の代表的な演目である傘回しは、傘の形が「末広がり」である事から、皆が次第に、繁盛、繁栄します様にとの思いが込められております。その他には、台茶碗を顎に立て、その上に紅白の房やお茶碗などを積み上げていく「五階茶碗の曲」。
写真の「出刃皿」は、出刃包丁の上で、大皿を廻します。刃物で邪気を切り祓い、運勢がさら(皿)に、良くなります様にとの願いが込められています。
最後に披露したのが、皆様ご存知の傘回しの芸。太神楽曲芸の中で最もポピュラーな芸であり、おめでたさが沢山詰まっている縁起物でもあります。和傘の上で色々な物を廻し、何事も丸く治まる”鞠”、金回りがよくなる”金輪”、ますます繁盛の”枡”など縁起の良いものを使います。それにしてもラッキー舞さん、女性曲芸師とは珍しいと思い経歴を調べてみると、平成8年、父で曲芸第一人者のラッキー幸治に師事。「ザ・ラッキー」を結成したらしい、曲芸もやっぱり世襲なのだろうか.....?