三方一両損
皆さんは、「三方一両損」の落語を聞いたことがあるでしょうか?この話、簡単に言うと三両落した人と拾った人がお互いにお金を受け取ろうとせず、奉行の大岡越前が「私も一両出して二人で二両ずつもらいなさい。三人とも一両ずつ損したことになるだろう」と言って丸く収める、というものです。
三人が一両ずつ損したのならば、拾った人はどうしたって得するはずなのに「二両だと損になる」と言ってしまうことが問題なわけですが、こういうことは世間で結構起こっているような話です。
「損とは何か」について考えると、落とした人も拾った人も「お金はいらない」と思っていたのですから、零両でいいという決意があったわけです。そこから考えると、二両手元にあるのは「+2両」です。三方一両損というのはあくまで大岡越前の主観であって、そう名付けるのがふさわしいかどうかはわかりません。
結局、結論はどうなってるんだと思うかもしれませんが、なんだかよくわからないことを考えると新しい可能性が見えてくるかもしれません。長男、長女の結婚に際しては、両家の希望が満額叶うことは難しい様です。本当に正しい「損得」というのは、見つけられませんが、ポジィティブにとらえて見守ってあげたいものです。もっとも、三方のもう一方の当の本人2人達には、「一両損」の認識はないでしょうが.....。