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ドイツ連合軍に屈した渡部暁斗


 冬季オリンピックLH複合金メダル候補だった渡部暁斗は、ドイツ勢3人がなだれ込んだ後、静かに5位でゴールした。思い続けた頂点はおろか、表彰台にも手が届かなかった。「頂点は見えているけど、なかなか登り方が分からないというか…」。彼にとっては、金メダル以外は、順位は関係ないのかもしれない。

 クロスカントリー巧者のドイツ勢3人は事前に示し合わせ、先頭を交代で引っ張りつつ、力を合わせて追ってくる。「逃げ切れる確率は低い」。彼の予感は的中し、6キロ過ぎで追いつかれた。表彰台独占を狙うドイツ勢は、容赦なく渡部を先頭に出して集団を引っ張らせ、体力の消耗を誘った。

 ドイツの俗言では「ノルディック複合は、飛んで走って、最後にドイツ人が勝つ競技だ」と言われているらしい。ドイツ勢に勝利するには、ぶっちぎりで先頭で逃げ切るか、有力選手の後方2・3番手を追随し、体力を温存し、最期に差し切るしかないのだろうか?彼は、「走力アップも必要だし、もう少し離せるジャンプも必要」と自らに課し、五輪での金メダルは4年後の北京に持ち越しとなった。

 ある人は、”銀”は、”金”より”良い”(本当は艮なのだが)と言い、”銅”は”金”と”同じ”と言った。一方、今回NH複合で銀メダルを獲得した彼は、「銀は、金や銅と違って、鏡の色。まだ自分を見つめ足りないということだと思う」と言ったとか?葛西といい渡部といい、どうやって4年後の北京オリンピックまで、モチベーションを維持するのだろうか?”忍耐”が苦手な小生には、到底想像だにできない.......。

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