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転失気(てんしき)?


昨日は、早々と21時に床に着いたため、今朝は4時に目が覚めてしまい、朝風呂を浴びて、NHKテレビをつけると、日曜日早朝恒例の演芸番組をやっていました。本日のトリは落語、演目は転失気(てんしき)。知ったかぶりで負けず嫌いだから、知らないことを認めたがらない和尚のお話です。

 ある日、下腹が張って医者を呼んだ和尚が「てんしきはありますか?」と聞かれ、わからないとは言えないのでしかたなく「はい」と答えてしまった。悔しいので小僧に近所で「てんしき」を調べに行かせる。だれも知ったかぶりをしたため、はっきりしたことが聞き出せない。しかたなく帰って和尚に報告したが、小僧も気になって「和尚さん、その『てんしき』って何ですか?見たことがありません」和尚は返答に困るが、「ばか野郎。そんなことを知らないでどうする。わしが教えてやるのはわけはないが、すぐに忘れてしまうだろう。先生のところに薬を取りに行って、自分の腹から出たようにちょっと聞いてこい」と、送りだす。医者「『てんしき』というのは傷寒論の中にある。転び失う気と書いて転失気だ。オナラのことだよ」、小僧「オナラってのは何です?どういう形で?」、和尚「形はない。屁のことだ」、小僧「屁ってえと、あのプープー、へえ、あれのことですか」。

 これで、和尚も近所も、知らないでゴマかしたことがばれたが、小僧は和尚に言っても逆に説教を食うと思うから、嘘をつくことにした。和尚「どうした、聞いてきか?」、小僧「へえ、てんしきとは盃のことだそうで」、和尚「盃? うーん、そうだとも。忘れるなよ。テンは呑む、シュは酒で、キは器。これで呑酒器という」。照れ隠しに、こじつけているところに医者が訪問。和尚は、よせばいいのに見栄を張り「お尋ねのてんしきを、今日はいろいろ用意してありますので、お目にかけます。まずは大きいてんしきを」、秘蔵の盃を取り出した。医者「ははあ、医者の方では傷寒論の中の言葉から、屁のことを申しますが、あなたの方では盃のことをいいますか」、和尚「さよう」、医者「どういうわけで?」、和尚、鼻を押さえて「どちらとも、つまみが必要でしょう」。お後がよろしいようで.......。

 現在、当クリニックの患者さんに3人の和尚さんがおられます。宗派も違い、キャラクターも皆異なりますが、3人とも便通を気にされております。次回の診察時、何気なく「てんしきはありますか?」と訪ねてみましょうか.....。3人のお答えは如何に?

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